安芸津のまちづくり:あるべき姿・課題・問題点・評価軸をまとめる

まちづくりの課題は何か?
問題点やあるべき姿をどう整理すればいいのか?

人口減少が続く中、地方創生や地域活性化を考えると、
「今のままでは何が問題で、どこに手を付けるべきか」
この整理が欠かせないですよね。

というのも、今起こっている現象を問題としていることもありますし、何が問題なのかがわからないまま、事例を真似ているようなケースもありますので、そのあたり私自身頭を整理しながら書き込んでいきたいと思います。


この記事の主な内容は、

  • まちづくりの「問題点」とは何か
  • 安芸津版の“あるべき姿”
  • 課題整理に使える4つの評価軸
  • “守り”と“攻め”の指標(KPI)
  • 問題点を見つける具体的手順

をまとめています。

今回は安芸津を例としていますが、その他の地域でも整理しやすいようにテンプレート化したいという趣旨で書かせていただきます。


まちづくりにおける「問題点」とは?課題との違い

それではまず押さえておきたいのは、
「問題点」と「課題」は違う ということ。

考えないといけないことはこちらですよね。

ギャップ = あるべき姿 − 現状  
問題点 = ギャップ + 放置したときの悪影響  
課題 = 問題点を解決するための“やるべきテーマ”

問題に対して的確な対策を考えるには、問題点や課題点を間違えてはダメだという事となります。
そのためには、
・あるべき姿は何かを考え、
・客観的現状はどうか
・その差し引き値がギャップとなり
・そのギャップを放置したときもっと悪いことが起きるというのが問題点。
その問題点を解決するためのテーマが課題点。

ここを間違えてはどうもならないので、何度も考え直したり時間をかけるべきところかもしれません。

個別に見ていきたいと思います。

■ 問題点とは?

  • 理想(あるべき姿)と現状の差があり
  • その差を放置すると不利益が生じる状態

つまり「足りていないこと」だけでなく
“このままだと何が起きるか”まで含めて問題点

■ 課題とは?

  • 問題点を解決するために
  • 「何を」「いつまでに」「どこまで」やるかを言語化したもの

安芸津のあるべき姿|人口減少時代の地方創生

私が考える安芸津の「あるべき姿」は現時点で次の一文としています。

人口減少を前提に、安芸津を起点として、残る人・来る人・出て行った人の誰もが、無理なく暮らし挑戦でき、その挑戦が町にも日本にも返ってくる“開かれた田舎”をつくること。

この一文には、地方であり、田舎である安芸津が進むべき方向性を凝縮しているつもりです。

① 人口減少は前提

というのも日本は今後、都市も地方もいずれ人口減少の時代に入ります。
そう考えたとき、安芸津が“人口の多さ”を目指す必要はないと考えています。

むしろ、
「人口が減っても、豊かに暮らせる町」
を先に実現することが、これからの地方の大きな強みになるという考え。

人口増加を前提にした仕組みは、これからの時代にはフィットしにくくなります。
その分、地方だからこそできる新しいまちづくりの可能性が広がっていると感じています。

② 残る人/来る人/出て行った人を“プレイヤー”と捉える

関係人口・交流人口・出身者・OBもすべて対象にする。
必ずこの地域に残るべき、とか残らない人はダメだ、みたいな文化や風潮や影響がある地域に誰も住みたくないですよね。
もしかすると「出ていった人」という表現が少しきつく感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身全然そう思っていないので、分かりやすい表現としてお許しくださいませ(笑

③ 無理なく暮らせる「生活の土台」

  • 収入
  • 時間
  • 生活インフラ

これらが整っていないと挑戦は生まれません。

④ 挑戦が町にも日本にも返ってくる

挑戦の結果が

  • 地域力
  • 地域の仕事
  • コミュニティ
  • 次の挑戦
    に循環していく構造を目指す。

⑤ 開かれた田舎という方向性

開かれた田舎とは、出入りが自由で、外から来る人も、若い人も、
ちょっと変わった挑戦をする人も、自然に受け入れられる町のことです。

今の時代、コミュニティの在り方は大きく変わりました。
人が自由に出入りできるコミュニティは自然と活性化し、
逆に、閉じたコミュニティほど参加率が下がり、関係は薄まっていきます。

例えば所属するコミュニティで、懇親会やイベントの出欠をとる場面があります。
このとき、欠席すると不利益を被るような空気や反応が存在すると、
人は「誘われないようにする」「距離を置く」という選択をするようになります。

結果として、
参加しないことで不利益が生じるようなコミュニティは、
人が離れ、つながりが薄くなっていきます。

安芸津がこれからも挑戦を生み、関係人口や出身者ともつながり続けるためには、開かれていることが大事な基盤になる。
これが、私が安芸津の未来像として、「開かれた田舎」を目指すべきだと考える理由のひとつです。


安芸津の課題整理に使える「4つの評価軸」

あるべき姿を現実に近づけるため、安芸津の状況を 4つの軸 で整理します。

① 暮らしの軸(無理なく暮らせるか)

  • 仕事と所得
  • 交通・医療・買い物などの生活インフラ
  • 子育て・教育・高齢期の安心

② 挑戦の軸(挑戦の機会とハードル)

  • 挑戦の“場”
  • お金・時間・心理的ハードル
  • 再挑戦できる仕組み

③ 循環の軸(挑戦が町に返ってくるか)

  • 挑戦の成果が地域内に戻っているか
  • ノウハウや事例が外へ波及しているか

④ ひらかれ度の軸(開かれた田舎か)

  • 出入りのしやすさ
  • 情報の開放性
  • よそ者・若者のウェルカム度

安芸津の守りと攻めの指標(KPI)

ここからは、上の4軸を実際に測るための
安芸津版KPI(ものさし) を紹介します。


◆ 守りの指標(生活の安心)

● 暮らしの自由度スコア(お金+時間の余裕)

  • 可処分所得の平均
  • 平日の自由時間の平均

→ 「安芸津で無理なく暮らせるか」を測る指標。

● 地域活動の負担の偏り度

  • 「一年間の活動参加回数」の分布を把握
    → 一部の人の犠牲で地域が回っていないかを見る。

● 生活インフラ安心度

  • 食料品・医療・日用品へ 15〜30分以内 にアクセスできるか
    → 暮らしの土台が崩れていないかの指標。

◆ 攻めの指標(挑戦・稼ぐ力・外とのつながり)
→図り方の問題は解決できないまま

● 挑戦者人口(安芸津で何かを始めた人の数)

  • 「今年の安芸津チャレンジ一覧」が作成できれば・・・。
    → 安芸津が“挑戦のスタート地点”であるか。

● 外貨スコア(町外から入るお金)

  • 主要事業者の町外向け売上比率
    →どうやって測りましょう。
  • ふるさと納税・宿泊統計
    → 人口が減っても稼げる町かを見る。

● 関係人口・リピート来訪者数

  • 宿泊やイベントで「市外×リピート」を計測
    → 安芸津ファンが増えているかを測る。

● 外で活躍している人の見える化

  • 安芸津出身者・ゆかりの人の挑戦を毎年紹介
    → “出て行った人もプレイヤー”という発想の可視化。

安芸津の問題点を導き出す5ステップ

4つの軸と指標を使うと、問題点は次の手順で整理できます。

① 軸ごとに「あるべき姿」を1文で書く

例:「安芸津で暮らす働く世代が、無理なく生活できて、挑戦する余裕を持てること」

② 現状を事実ベースで書く

例:「通勤時間が長く、家計の負担も重い」

③ ギャップを一言で書く

例:「暮らしの余裕が十分とは言えない」

④ 放置したときの悪影響を書く

例:「若い世代ほど『安芸津では挑戦が難しい』と感じ、町から流出する」

⑤ テンプレートに流し込む

本来〜であるべきだが、現状〜である。
放置すると〜という悪影響が見込まれるため、〜という問題がある。

これを暮らし・挑戦・循環・ひらかれ度ごとに整理すると、
**安芸津の現実的な“課題リスト”**になります。


まとめ|開かれた田舎・安芸津という土俵で考える

人口が増え続けた時代の価値観だけでは、これからの安芸津の課題を捉えきれません。
だからこそ新しい土俵として、

残る人・来る人・出て行った人の誰もが、無理なく暮らし挑戦でき、その挑戦が町にも日本にも返ってくる「開かれた田舎」

を掲げました。

この土俵に立つことで、

  • 問題点
  • 課題
  • 対策
  • 評価指標(KPI)

すべてを一つの物差しで整理できます。

地域のみなさんの声を聞きながら、
この“評価軸”を進化させていければと思っています。

簡単なように見えて問題設定も難しく、時間もかかるものですね。