安芸津町のまちづくり方針ver1-人口減少時代の4つの視点

  • 東広島市は学園都市効果で「人口横ばい+高齢化進行」。
  • 安芸津町は人口規模 <1 万、高齢化最前線
  • 2040 年には町民 2 人に 1 人が 65 歳以上。産業再設計と生活インフラ DXを同時に進めることが不可欠です。

安芸津町の人口動向と社会動態

  • 最新データでは、安芸津町の人口は 約 8,271 人。ここ数年は 年間 200 人 前後のペースで減少し、高齢化率も 50%近く に達しています。
  • 人口減少そのものを完全に止めることは現実的ではありません。しかし「減り方を緩やかにする」「減っても持続できる基盤を整える」ことは可能です。

将来人口シミュレーション(概算)

前提

  • 基準人口:2023 年 8,702 人(町別住基台帳)。
  • 過去 6 年の平均減少率 -2.27%/年 を 2035 年まで持続し、その後は緩和(-1.5%/年 → -1.0%/年 と漸減)。
  • 年齢構成は 65+比率が 0.5pt/年で 2045 年まで上昇、その後はゆるやかに低下。
  • 合計特殊出生率は現状 1.3 と仮定(市平均-0.17)。

結果表(ざっくり)

総人口0-14 歳15-64 歳65+ 歳高齢化率
2023(実績)8,7026004,2033,89944.8%
20307,4104453,3343,63049.0%
20405,8902942,3563,23955.0%
20504,6802111,8022,66757.0% ←高齢化ピーク
20603,7201861,6001,93452.0%

※人口は整数四捨五入、比率は総人口に対する 65+%。将来出生・死亡・転出入を簡易近似した「町内で議論するための目安」です。

ピーク・下げ止まりの見通し

指標見通し年ひと言解説
高齢化率ピーク2050 年ごろ(約 57%)団塊世代後期高齢化の山。以降は死亡超過でやや低下
人口減少スピード最大2025-2035 年ごろ年平均 2%超の減、若年転出と出生減が重なる
人口下げ止まり2060 年前後(3,500-4,000 人台)若・現役層が底打ちし、自然減が緩和

核となる課題

  1. 減少スピードの速さ
    人口が急速に減る地域ほど、民間投資・人材投資が入りにくくなり、行政サービスも維持しづらくなる悪循環が生まれる問題。
  2. 外貨を稼ぐ力の不足
    町外・県外・国外から収入を得る産業がまだ十分ではない問題。
  3. 若い世代の流出
    進学や就職で町を離れた若者が戻りたくなる “受け皿” が十分ではない問題。

まちづくりの 4 つの視点

視点役割
外貨を稼ぐ力町外から収入を呼び込む基幹産業づくり
お金を回す力地域内経済を循環させ、生活を支える仕組み
暮らしを支える力住環境・福祉・教育など日常の安心を提供
人を育む力子ども・若者・住民全体が挑戦できる環境

3 つの基本方針

  1. 稼ぎ育てる安芸津
    • 特産品の高付加価値化、地域商社による国内外販路開拓
    • 近隣港湾やオンラインを活用した “外貨ビジネス” の創出
  2. 暮らし試せる安芸津
    • 空き家バンクや関係組織による、お試し居住などを推進
    • 移住者向けワークスペース・交流拠点を活用
  3. 挑戦につながる安芸津
    • “挑戦基金” を設置し、町内外から集めた資金で若手・事業者の新企画を後押し
    • 広島商船高専や近隣大学と連携し、学生が地域課題に取り組む 実践フィールド を提供

具体的アクション例

フェーズ取り組み想定効果
短期 (1~2 年)– 地域商社の立ち上げや既存組織の再編
– 空き家利活用モデル住宅の公開・増加
● 地元事業者の売上向上
● 移住検討者の入口づくり
中期 (3~5 年)– 挑戦基金の運用開始
– 特産品の海外向け OEM 展開
● 若手起業家の定着
● 町外売上比率アップ
長期 (5 年~)– 学生・U ターン人材の雇用創出
– 自治体・民間・教育機関の常設連携協議体
● 人口減少ペースの緩和
● “挑戦と応援” 文化の定着

おわりに

人口減少は避けがたい現実ですが、“減り方をコントロールしながら、減っても豊かに暮らせる仕組み” をつくることで、安芸津町でのやりがい開発はまだまだ可能性があると思っています。
外から稼ぎ、中で回し、人を育みながら挑戦を応援する――この循環こそが、次の世代に誇れる安芸津町の姿だと考えています。

これからも具体的なアクションを重ね、皆さまと一緒に 「挑戦と応援が巡る町・安芸津」 を形にしていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。